東亜コルクは昭和58年に設立されたコルク専門会社です。コルクが持つ断熱性能や吸音性能、弾力性能などを生かした製品を数多く販売してきました。近年は炭化コルク断熱材の「コルダン」も販売しています。今回は東亜コルクの断熱材であるコルダンの特徴を解説します。ぜひ、参考にしてください。
天然素材で快適空間!調湿・断熱効果抜群
コルクは地中海沿岸で生育するコルク樫の樹皮から作られる素材です。現在はヨーロッパのポルトガルが主産地となっています。コルクといえばワインの栓をイメージする方も少なく無いでしょう。確かに、コルクはワインの栓として利用されています。しかし、建材としてもすぐれた特長を持っています。
コルクの特徴の一つに衝撃を易しく和らげるというものがあります。コルクには微細な気泡が含まれているため弾力性が高く、衝撃をかなり吸収してくれるのです。衝撃吸収性能が高いということは、足音や物の落下音も吸収してくれることを意味します。
断熱材としてみてみると、コルクは熱伝導率が低い素材であることがわかっています。熱伝導率は高いほど熱が伝わりやすく、低いほど熱をさえぎる断熱性が高いことを意味します。たとえば、コンクリートの熱伝導率は1.6W/mKですがビニールタイルは0.2072W/mKと8分の1以下となっています。
合板であれば0.1164W/mKとなりビニールタイルの半分となります。コルクタイルは0.0687W/mK、後ほど説明する炭化コルクであれば0.041W/mKまで熱伝導率が下がります。炭化コルクの値は代表的な断熱材であるグラスウールの0.035W/mKやポリウレタンの0.0337W/mKに匹敵するものであることから、断熱材として十分な性能を持っていることがわかります。
炭化コルクとはコルクを炭化させることでコルクタイルよりも断熱性を高めたものです。湿度が高いときには湿気を吸収し、湿度が低いときには湿気を放出する吸放湿性能に優れた素材であるため、室内の湿度をちょうどよい状態に保ち、室温も適温に保つことができます。
この炭化コルクの性能を生かして断熱材としたのが「コルダン」です。
ダニ・ホルムアルデヒドも撃退
コルダンの特徴の一つにホルムアルデヒドやアンモニアを吸収してくれることがあります。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質の一つといわれています。シックハウス症候群とは室内の汚れた空気を吸うことでさまざまな体調不良を引き起こすことです。
ホルムアルデヒドの発生源は住宅などで使用される合板です。合板は壁や天井、押入れ、フローリング、食器棚、タンスなどの木製家具に多く使用されています。コルダンはホルムアルデヒドを使用しない天然素材であり、接着剤を使わず炭化発泡させたボードを使用するため体に優しい建材といえます。
しかも、コルダンにはホルムアルデヒドを吸着する機能があるため、他の木製製品から漏れ出たホルムアルデヒドも吸収してくれるというメリットがあります。また、コルダンが持つ高い吸湿性能は、結露の発生を抑えるためカビの繁殖を抑える効果があります。
カビは胞子が人の体に悪影響を与えるだけでなく、ダニのエサとなってしまうことからダニを増やす要因となります。湿度を抑えるコルダンの効果によりカビが抑制できれば、カビをエサとするダニの繁殖も抑えられます。
ダニはアレルギーの原因となるため、ダニの繁殖が減ればダニが引き起こすぜん息やアトピーなどを抑えられます。
環境にも優しい!持続可能な社会を実現
コルクは循環型社会を実現するための重要な資源です。循環型社会とは限りある資源を有効活用し、持続可能な形で資源を利用する社会のことです。そうすることで、天然資源の消費を少なくすることが目的です。かつて、私たちは地球上の豊かな資源を使ってさまざまな製品を生み出していました。
大量生産・大量消費があたりまえであり、使い捨てにされる資源も少なくありませんでした。しかし、地球の人口増加や地球温暖化の進展などを考えると、これまでのような大量生産・大量消費を続けるのは難しくなってきました。
そこで、経済の仕組みを循環型に切り替える必要が出てきたのです。コルクが循環型社会に適しているのは寿命が長く何度も収穫できるからです。コルク樫の寿命は200〜300年で、最初の収穫から概ね9年に一度収穫できます。
コルク樫一本からコルクが取れる回数は15〜18回ほどで、他の樹木に比べると資源が枯渇しにくいという長所があります。コルクの最大の用途はワインなどのコルクストッパーですが、コルクストッパーとして使用されなかった大量の残材(コルクウェスト)の処理が課題となっていました。
炭化コルク「コルダン」は使用されなかったコルクの残材を粉砕し、高温化\圧の状態で炭化発泡させて造られます。100%天然素材の断熱材で、再生材量を50%以上使用しているという点でも環境にやさしい断熱材といえます。
まとめ
今回は東亜コルクがコルクの残材であるコルクウェストなどからつくる断熱材「コルダン」を紹介しました。コルダンはコルクが一般の樹木よりも長期間利用できる樹木であることや廃棄されてきた材料を使った断熱材である点で環境にやさしいと評価されています。
それだけではなく、断熱性能の面でもグラスウールやポリウレタンに負けない性能があることもわかっています。シックハウス症候群が心配な方や天然素材由来の断熱材を使いたい方は、ぜひ一度、コルダンの仕様を検討してみてはいかがでしょうか。
断熱材選びは、素材選びが重要
快適なマイホームにするため欠かせないのが、断熱性や気密性といった住宅性能です。さまざまなメーカーから多種多様な断熱材が提案されていますが、はたしてどれが良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
断熱材には大きく分けてもグラスウールなどの「無機繊維系」や、セルロースファイバーなどの「木質繊維系」。さらに羊毛などの「天然素材系」や、ポリスチレンフォームなどの「発泡プラスチック系」があり、性能や価格はもちろん特徴もそれぞれ異なります。
そのため選び方としては、生活スタイルや家族の希望、お住まいのエリアの気候に沿うかたちがベターでしょう。ただ1種類おすすめするとすれば、自然素材独自の調湿性能・吸音性・防音性を備えた『木質繊維系』の断熱材を推したいです。とくに身体や環境に優しい家にしたい方は、ぜひ検討してみてくださいね。
コルダン(東亜コルク)の基本情報
会社名 | 東亜コルク株式会社 |
住所 | 〒574-0056 大阪府大東市新田中町5-1 |
電話番号 | 072-872-5691 |