断熱材は住宅にとって必要不可欠な建材です。断熱材の導入により建物内部の温度や湿度を一定に保ち、快適な空間が実現できるからです。しかし断熱材は素材や製法によって性能が異なります。快適に過ごすためには断熱性能の高い製品を選ぶことが大切です。今回紹介するミラフォームは高い断熱性能に加えて、水濡れに強いことが特徴です。
高い断熱性能!熱伝導率コンクリートの約1/50
ミラフォームは、発泡プラスチックの製造と販売をおこなう化学メーカーJSP発の断熱材です。RC・SRC造系の建築物をはじめ、型枠材、複合パネル、冷凍・低温倉庫・車両など、分野を問わずさまざまなフィールドで活躍しています。
発泡プラスチック系断熱材ですが、発泡剤には地球温暖化係数の小さい発泡剤を採用し、フロンを使っていないため、地球にやさしい製品です。JSPでは他にもシックハウス対策やリサイクル対応、グリーン購入法特定調達品目にも力を入れており、環境に対して配慮しながら製品の製造に取り組んでいます。
ミラフォースの特徴は発泡プラスチック系に共通する軽量で吸水性が小さいことに加えて、断熱性・防水性・作業性・靭性のすべてに高い性能を維持することにあります。ミラフォームが特に優れている点は、断熱性能です。
ミラフォームの熱伝導率は0.028~0.036[W/mK]しかなく、この値はコンクリートの1.6[W/mK]の約1/50に相当します。熱伝導率は値が小さいほど熱を伝える量が少なく、高い断熱性能を持つことをあらわしています。
断熱性能が高い建材を建物に用いることで、夏は外気温を室内に通さず、冬は暖かい室温を外に逃がさない、一年を通して快適な温度環境で過ごせるようになります。冷暖房効率が向上するため、エネルギーの節約につながり、経済的なメリットも発生します。
加工のしやすさ
さらにミラフォームは加工のしやすさも特徴のひとつです。板状で適度な硬さをもっているため、鋸やカッターナイフで簡単に切断でき、現場での加工もしやすい柔軟性の高さが魅力です。
用途に合わせた板厚で一枚ずつ成形するため、密度が均一できめ細かいことから、高い靭性があり、運搬中も施工中もワレ・カケ・ヒビの発生が非常に少ないことも長所です。
水濡れに強く、長持ち!安心の防水性
建物の断熱性能はずっと同じレベルで継続するものではなく、経年によって劣化する可能性があります。また、施工不良によって発生する場合もあります。施工不良が原因の場合、すき間が発生していたり、断熱材に破損があったりして、熱の逃げや侵入が起こりやすくなることで断熱性能が低下します。
一方、経年劣化の場合、使用される断熱材や建物の環境条件によって、性能低下のスピードや程度は異なります。施工不良を防ぐためには信頼できる施工業者を選ぶことでリスクを下げられますが、建物の環境条件を変えることは困難です。
断熱性能が下がりやすい建物の環境として、湿気や水の侵入が起こりやすい状況が挙げられます。一年を通して湿度の高い地域や、雨の多い地域などが該当します。また、断熱材が雨漏りなどにより水分を含んでしまっても、性能が低下する可能性があります。
特に地下室や屋根裏など、湿気のコントロールの難しい場所では注意が必要です。湿度は断熱材だけでなく、ほとんどの建材にとって大敵です。長期間水にさらされることで、サビや腐食が発生してしまうためです。
建材が腐ってしまうと最終的に家全体が腐ってしまい、地震や台風など外からの大きな力に抵抗できず倒壊してしまう恐れがあります。このように断熱材にとって水分は大敵で、定期的な点検とメンテナンスによって断熱材や施工状況を確認し、必要に応じた修復や補修が欠かせません。特に無機質繊維系の断熱材は水に弱い性質を持っているので、注意が必要です。
ミラフォームの防水性
発泡プラスチック系断熱材であるミラフォームは、水濡れに強いことが強みです。完全密閉状態の独立気泡が無数に集まった構造のため吸水率がきわめて低く、100㎡で0.01g以下にとどまります。水の中に浸しても、表面に水分が付着するだけで内部にほとんど浸水することがありません。
水分の吸収・水蒸気の透過が防げるので、断熱材の性能低下による結露の発生を防ぎます。ダニやカビの発生もないため、建物の耐久率向上にも貢献できるのが魅力です。
建材トップランナー制度の対象製品
建材トップランナー制度は、エネルギー消費効率の高い建材の普及を促進し、建築物全体のエネルギー効率向上を目指して生まれた制度です。対象となる建材はさまざまですが、断熱材の部門ではグラスウール、ロックウールおよび押出し法プリスチレンフォームのうち、住宅・建築向け断熱用として出荷されるものが対象となっています。
トップランナー認定された建材は消費者に対してエネルギー消費効率の高い優良な建材として、導入が推奨されています。
まとめ
JSPが製造・販売する断熱材ミラフォームの特徴を紹介しました。ミラフォームは断熱性・防水性・作業性・靭性のすべてに高い性能を維持することに強みがある製品です。熱伝導率が0.028~0.036[W/mK]で、コンクリートの1.6[W/mK]と比較して約1/50しかなく、高い断熱性能をもっています。
また防水性の高さも特徴で、完全密閉状態の独立気泡が無数に集まった構造のミラフォームは、水の中に浸漬しても表面に水分が付着するだけで内部にほとんど浸透しない、きわめて低い吸水率を実現しています。住宅にとって大敵の水分に強みがあり、建物の耐久率向上にも貢献できます。
断熱材選びは、素材選びが重要
快適なマイホームにするため欠かせないのが、断熱性や気密性といった住宅性能です。さまざまなメーカーから多種多様な断熱材が提案されていますが、はたしてどれが良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
断熱材には大きく分けてもグラスウールなどの「無機繊維系」や、セルロースファイバーなどの「木質繊維系」。さらに羊毛などの「天然素材系」や、ポリスチレンフォームなどの「発泡プラスチック系」があり、性能や価格はもちろん特徴もそれぞれ異なります。
そのため選び方としては、生活スタイルや家族の希望、お住まいのエリアの気候に沿うかたちがベターでしょう。ただ1種類おすすめするとすれば、自然素材独自の調湿性能・吸音性・防音性を備えた『木質繊維系』の断熱材を推したいです。とくに身体や環境に優しい家にしたい方は、ぜひ検討してみてくださいね。
ミラフォーム(JSP)の基本情報
会社名 | 株式会社JSP |
住所 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内三丁目4番2号 新日石ビル |