吹き付け断熱とは?特徴・メリット・デメリットをわかりやすく解説

公開日:2025/06/15
吹き付け断熱とは?特徴・メリット・デメリットをわかりやすく解説

住宅の断熱性能を高めるための方法のひとつに「吹き付け断熱」があります。専用の断熱材をスプレーのように吹き付ける施工方法で、気密性の高さや施工の手軽さから注目されていますが、一方で費用や施工時の注意点もあります。この記事では、吹き付け断熱の基本的な仕組みや、メリット・デメリットをみていきましょう。

吹き付け断熱の特徴

住宅の断熱性能を高めるために採用されることが多い「吹き付け断熱」ですが、専用の断熱材を霧状に吹き付けて隙間なく施工できることから、気密性や断熱性に優れた工法として注目を集めています。以下では、吹き付け断熱の特徴や使われる断熱材の種類についてご紹介します。

隙間を埋める柔軟な施工と高い断熱効果

吹き付け断熱は、霧状の断熱材を壁や天井に直接吹き付けて発泡させることで、断熱性と気密性を同時に高める工法です。使用されるのは発泡性ウレタンと呼ばれる材料で、液状の状態から吹き付けるとスポンジ状に発泡・硬化します。このスポンジ状の内部には無数の気泡が含まれており、空気を閉じ込めることで優れた断熱効果を発揮します。

また、霧状に広がる性質により構造の隅々までしっかりと充填でき、従来のボード状の断熱材では生じやすい隙間を埋めることが可能です。こうした特性により、住宅だけでなく公共施設や商業施設など幅広い建築物で活用されています。

用途に応じて選ばれる2種類のウレタン素材

吹き付け断熱で使用される主な断熱材には、軟質ウレタンと硬質ウレタンの2種類があります。軟質ウレタンは軽く柔らかい素材で、空気や水が通りやすく、スプレーすると約100倍に膨らむため「100倍発泡」とも呼ばれています。連続気泡構造をもち、復元性があるのが特徴です。

一方、硬質ウレタンは硬い素材で独立気泡構造をしており、空気や湿気を通しにくく高い断熱性能をもっています。主に吹き付け断熱で使われるのはこちらの硬質タイプで、膨張率は30倍程度です。用途や性能要件に応じて、適切な素材を選ぶことが重要です。

快適性・耐久性・防音性に優れた吹き付け断熱

吹き付け断熱に使用される発泡ウレタンには、温度調整・結露対策・防音といった複数のメリットがあり、長期的に安心できる住まいづくりに役立ちます。以下で、メリットについて詳しくみていきましょう。

すき間なく断熱できるから、夏も冬も快適

吹き付け断熱に使われる発泡ウレタンは、たっぷりと空気を含んでおり、熱の伝わりを防ぎます。空気は熱伝導率が低く、気泡の中に閉じ込められることで、夏は外からの熱を遮り、冬は室内の暖かさを逃しません。

さらに、霧状に吹き付けることで細かな部分まで密着し、すき間なく充填されるため、気密性の高さも特徴です。複雑な構造の家でも、均一に施工できるのは吹き付け断熱ならではのメリットといえるでしょう。

剥がれにくく、結露やカビのリスクも軽減

発泡ウレタンは接着力が高く、壁にしっかりと密着するため、施工後にずれたり剥がれたりしにくい特性があります。地震や経年による建物の歪みにも強く、長期的に断熱性能を維持できる点が魅力です。

また高い気密性によって、室内外の温度差による壁内の結露も防ぎやすくなります。結露が発生しにくくなることで、柱や木材の腐食を抑え、カビの発生も防ぎます。カビが原因となるアレルギーや喘息のリスクを減らし、健康的で衛生的な暮らしをサポートします。

遮音性も備えた静かな住まいに

吹き付け断熱は断熱性能だけでなく、防音効果も期待できるのが特徴です。発泡ウレタンは施工後にスポンジ状に変化し、壁の内部に無数の気泡を作り出します。これにより、外からの騒音を遮る「遮音性能」と、室内の音の響きを抑える「吸音性能」の両方に優れた効果を発揮するのです。

生活音や外部の交通音が気になる住環境においても、吹き付け断熱を取り入れることで、より静かで快適な空間づくりが可能になります。

費用や施工面での注意点もチェック

高い断熱性や気密性が魅力の吹き付け断熱ですが、導入を検討する際には注意すべき点もあります。ほかの断熱材に比べてコストがかかることや、施工の仕上がりが職人の技術に左右される点など、知っておくべきデメリットも存在します。後悔のない選択のために、事前にしっかり確認しておきましょう。

コスト面では高額になりがち

吹き付け断熱は優れた性能をもつ一方で、ほかの断熱材に比べて価格が高い傾向にあります。たとえば、一般的な断熱材として使用されるグラスウールと比べると、施工費用が約3倍になることも珍しくありません。

また、吹き付け断熱は家全体を隙間なく施工するため、施工面積が広い住宅ではその分コストもかさみやすくなります。高性能を得られる分、初期費用がかかる点は導入前にしっかりと検討する必要があります。

仕上がりには職人の技術が影響する

吹き付け断熱は、現場で液状の断熱材を霧状にして吹き付けるため、作業者の技術が施工の仕上がりに大きく影響します。経験が浅い職人が施工すると、断熱材が均一に吹き付けられず、ムラや隙間ができてしまうことがあります

その結果、十分な断熱性や防音効果が得られない可能性も。施工不良を防ぐためにも、施工実績のある信頼できる業者に依頼することが重要です。事前に施工例や口コミを確認し、安心して任せられるかを見極めましょう。

まとめ

吹き付け断熱は、すき間のない施工による高い断熱性や気密性、防音性など多くのメリットがある一方で、費用の高さや施工技術への依存といった注意点もあります。導入を検討する際は、性能だけでなくコストや信頼できる施工業者の選定も重要なポイントです。メリットとデメリットの両面をしっかりと理解したうえで、自宅に合った断熱方法を選ぶことが、快適で長持ちする住まいづくりにつながります。

               

【ジャンル別】住宅用断熱材

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イメージ
引用元:https://www.germanhouse.co.jp/gutexjapan/

引用元:https://www.decos.co.jp/cellulose

引用元:https://www.pinalform.jp/

引用元:https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/jneoma/index.html

引用元:https://www.isover.co.jp/

引用元:https://www.itnjapan.com/

引用元:https://www.n-aqua.jp/products/aquaform/
商品名GUTEX(グーテックス)デコスファイバー(デコス)パイナルフォーム(松原産業)ネオマシリーズ(旭化成建材)イゾベールシリーズ(マグ・イゾベール)ウールブレス(アイティエヌジャパン)アクアフォーム(日本アクア)
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