断熱性能を表す「UA値」とは?分かりやすく解説

公開日:2024/04/24 最終更新日:2024/04/26
断熱性能を表す「UA値」とは?分かりやすく解説

UA値とは、建物の断熱性能を表す重要な指標です。この値が小さいほど、建物の断熱性能が高く、省エネ効果が期待できます。UA値は地域によって基準が決められており、快適な暮らしや補助金の有無などにも関わるため、あらかじめ理解しておきましょう。この記事では、UA値の詳細や、将来的に求められる数値などについて分かりやすく解説します。

断熱性能を表す「UA値」とは?

UA値は、外皮平均熱貫流率とも呼ばれ、住宅の外皮から熱がどのくらい逃げやすいかの平均を示す値です。Uが熱貫流を示す単位を表し、Aはaverage(平均)の頭文字の意味合いがあります。

建築内外の温度差が1℃のときに界へ逃げる時間あたりの熱量を、住宅の表面積で除した数値であり、UA値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性が高いということです。逆に、UA値が高い場合は熱が逃げやすく、快適に過ごしにくくなります。

UA値が低いメリット

UA値が低い建物は断熱性が高く、エアコンの使用頻度が減り、電気代を抑えられます。また、UA値が低い住宅の普及により、火力発電で使用する石油が減少し、二酸化炭素の排出量の削減が実現することもメリットです。さらに、UA値が低いと、結露やカビの発生を抑制できます。

温度差の減少により、ヒートショックのリスクが低減されることも大きな利点です。UA値が低い住宅は、省エネ効果だけでなく、生活の快適性や健康面にも大きな影響を与えます。したがって、断熱性能を向上させることは、住宅と中で暮らす家族の暮らしの質を高める重要な取り組みといえるでしょう。

UA値の基準とZEH住宅

UA値の基準は、気候条件に応じて、地域ごとに異なった値で設定されています。日本は、北から南まで気候が多様であるため、国土交通省はUA値の基準を8つの地域に分けて設定しています。たとえば、関東地方から南部を除く九州地方までは最低基準の0.87が推奨値です。

ZEH対応のUA値

ZEHとして認められるためには、地域によってUA値が0.4以下から0.6以下の範囲に収まることが求められます。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、1次エネルギー収支がゼロとなる住宅を指します。

断熱性が高い外皮と、効率的な発電システムを導入することで実現され、少ない電力で快適な室温を維持できるため、光熱費の大幅な削減が可能です。覚えておきたいことは、ZEH住宅の基準を満たすと、さまざまなメリットが得られることです。

たとえば、余った電力を売ったことで得られる収入のほか、国からの補助金も期待できます。ZEH基準を満たすUA値を実現することで、エネルギー負荷をさらに低減させられ、経済的な恩恵も多く得られるでしょう。

新設された等級

断熱等級5は、2022年4月にあらたに設定された等級です。UA値は0.6以下で、ZEH基準に該当するほどの高い断熱性能が対象となります。断熱等級5の新設にともない、2022年10月から、長期優良住宅の断熱基準が断熱等級4から5に引き上げられているので注意が必要です。

また、断熱等級5よりも上位の断熱等級6・7も2022年10月に設定され、UA値は断熱等級6において0.46以下、最高等級となる断熱等級7のUA値は0.26以下に設定されています。

断熱等級6では、暖房を付けなくてもほぼ13℃を下回らない、断熱等級7においては、ほぼ15℃を下回らないほど、高い断熱性能を誇るのが特徴です。

住宅ローン控除への影響

住宅の断熱性能に関わる法改正が少しずつ進められ、より厳しくなっています。2024年以降の新築の住宅に関しては、原則として省エネ基準適合住宅やZEH水準省エネ住宅などの二酸化炭素削減が図られた建物でないと、ローン控除を受けられません。

省エネ基準適合住宅とは、断熱等性能等級が4以上、かつ、一次エネルギー消費量等級が4以上の性能を有する住宅のことを指します。

2025年にさらに厳格化される

また、2025年からは、すべての新築住宅に対し、H28省エネ基準(断熱等級4)の断熱性能を備えることが義務付けられています。それにともなって、2022年3月時点での断熱最高等級として位置づけられていた等級4のUA値0.87は、2025年以降は、なんと最低基準となり、急激な厳格化が進んでいます。

言い換えると、UA値0.87よりも劣る建物は2025年以降建設できないということです。対象は今後建築される新築住宅が対象となるため、既存の住宅には適用されません。これから新築を検討し始める方には、避けて通れない要素です。建設費用に大きく関わるため、慎重に検討する必要があります。

2021年から省エネ性能説明義務化!

2021年の建築物省エネ法の改正により、300平方メートル未満の建築物を新築・増改築する際には、建築士が建築主に対して省エネ性能を説明することが義務付けられています。この法改正では、建築主が購入前に省エネ性能を理解できるようにするための対策です。

具体的には、建築が省エネ基準を満たしているかどうかや、満たされていない場合は、どのような措置が必要か説明されます。これから住宅を建てることを検討している方は、UA値などに関する知識を得ておくと、住宅の性能が判断しやすいでしょう。

まとめ

UA値は、建物の断熱性能を示す指標であり、その値が小さいほど、建物の断熱性能が高くなります。UA値を下げることで建物の省エネ効果が向上し、快適な室内環境を維持できるでしょう。繰り返される法改正により、義務付けられる断熱性能もだんだんと高くなっていきます。建築やリフォームを考える際には、UA値を確認して、省エネ性能の高い建物を目指しましょう。

               

【ジャンル別】住宅用断熱材

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引用元:https://www.germanhouse.co.jp/gutexjapan/

引用元:https://www.decos.co.jp/cellulose

引用元:https://www.pinalform.jp/

引用元:https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/jneoma/index.html

引用元:https://www.isover.co.jp/

引用元:https://www.itnjapan.com/

引用元:https://www.n-aqua.jp/products/aquaform/
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