一般的に使用される断熱材の種類を紹介

公開日:2025/12/15
一般的に使用される断熱材の種類を紹介

断熱材は、主に「無機繊維系断熱材」「木質繊維系断熱材」「発泡プラスチック系断熱材」の3種類があります。それぞれに異なる特徴があるため、用途や使用場所に合ったものを選ぶのが大切です。本記事では、それぞれの種類の断熱材の特性や細かな分類について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

無機繊維系断熱材

無機繊維系の断熱材は、住宅の断熱性能を高めるために広く用いられており、代表的な素材として「グラスウール」と「ロックウール」の二種類が挙げられます。これらはいずれも無機素材を原料としており、経年劣化が少なく耐久性に優れている点が特徴です。

グラスウール

まずグラスウールは、これはリサイクルガラスなどを高温で溶かして繊維状に加工した素材です。ガラス繊維が複雑に絡み合うことで、繊維間に無数の空気層が形成され、熱の伝導を効果的に抑えます。

そのため断熱性が高く、住宅用断熱材として広く採用されています。また、製造コストが比較的低く、手に入りやすい点も人気の理由です。

無機繊維であることから、湿気や経年による劣化に強く、長期間にわたって安定した性能を維持できることも大きなメリットです。

ロックウール

ロックウールは溶かした鉱物を繊維状にした素材で、火に強く燃えにくい性質を持つことが特徴です。高温にさらされても変形しにくいため、防火性能の面で優れた断熱材として利用されています。

ただし、湿気を吸収しやすい性質があるため、施工時には十分な湿気対策が求められます。さらに、グラスウールと比べると体積が大きく重いため、取り扱いや保管、運搬の際にはやや不便さを感じることも少なくありません。

木質繊維系断熱材

木質繊維系の断熱材は、自然素材を原料としており、住宅の断熱性能だけでなく環境面にも配慮された素材として注目されています。代表的な素材として「セルロースファイバー」と「ウッドファイバー」の二種類があり、それぞれに特徴があります。

セルロースファイバー

セルロースファイバーは、古新聞や古紙などのリサイクル紙を原料にして綿状に加工した素材です。細かい繊維構造により、壁や天井の隙間をしっかりと埋めることができるため、住宅内部の熱が逃げにくく、効率的な断熱効果を発揮します。

また、吸湿性が高い特性を持つことから、室内の湿度を適度に調整し、快適な温度環境を保つことが可能です。この特性により、エアコンや暖房の使用を抑え、環境に優しい住宅設計に貢献する素材としても評価されています。

一方で、水に弱いという欠点があり、湿気の多い場所や水回りには適さない場合があります。そのため、施工場所や方法を慎重に選ばなければいけません。

ウッドファイバー

ウッドファイバーは、木材を原料とした断熱材で、断熱性だけでなく吸音性や調湿性にも優れている点が特徴です。住宅の壁や屋根に使用することで、外部の騒音を軽減し、室内環境を快適に保つ効果が期待できます。

また、原料として倒木や間伐材を利用していることから、森林資源の有効活用や地球温暖化防止に貢献することができます。環境負荷を抑えつつ、高性能な断熱材を取り入れることができるため、自然素材志向の住宅で採用されることが多いです。

発泡プラスチック系断熱材

発泡プラスチック系の断熱材は、高い断熱性能を持ちつつ、施工性や耐久性にも優れている素材として住宅や建築物で広く利用されています。代表的な素材には「ウレタンフォーム」と「ポリスチレンフォーム」があり、それぞれ特徴が異なります。

ウレタンフォーム

ウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂を原料として製造される断熱材で、多数の小さな気泡が集まった構造を持っています。これらの気泡内部には熱の伝導が小さいガスが含まれており、高い断熱性を発揮することが可能です。

また、耐候性が高いため、外部の湿気や気候の変化に影響されにくく、長期間にわたって安定した断熱効果を維持できる点も魅力です。しかし一方で、ウレタンは可燃性であるため、施工時や設計段階で防火対策を講じる必要があります。

住宅用途では、火災リスクを考慮した施工方法や保護材の併用が求められます。

ポリスチレンフォーム

ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂を原料とした断熱材で、樹脂の泡が独立して存在する構造を特徴としています。この構造により水や空気の通過を防ぎやすく、防水性や防湿性に優れている点が魅力です。

そのため、湿気の多い場所でも断熱性能を長期間安定して発揮することが可能です。また、柔らかく軽量で扱いやすい素材であるため、施工の際も比較的容易に取り扱えることから、施工効率が求められる現場で好まれます。

まとめ

断熱材には、大きく分けて「無機繊維系」「木質繊維系」「発泡プラスチック系」の三種類があり、それぞれ独自の特性で住宅の快適性や耐久性に貢献します。無機繊維系はグラスウールやロックウールが代表で、耐久性や防火性能に優れ、長期間安定した断熱効果を発揮します。木質繊維系はセルロースファイバーやウッドファイバーがあり、吸湿性や調湿性、吸音性に優れ、自然素材で環境負荷も抑えられるのが特徴的です。発泡プラスチック系はウレタンフォームやポリスチレンフォームがあり、高い断熱性と耐候性、防湿性を兼ね備えつつ、施工性にも優れているのが特徴です。住宅の設計や用途に応じて最適な断熱材を選ぶことで、省エネ性や快適性、環境への配慮を両立させることができます。

               

【ジャンル別】住宅用断熱材

おすすめの住宅用断熱材比較表

イメージ
引用元:https://www.germanhouse.co.jp/gutexjapan/

引用元:https://www.decos.co.jp/cellulose

引用元:https://www.pinalform.jp/

引用元:https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/insulation/jneoma/index.html

引用元:https://www.isover.co.jp/

引用元:https://www.itnjapan.com/

引用元:https://www.n-aqua.jp/products/aquaform/
商品名GUTEX(グーテックス)デコスファイバー(デコス)パイナルフォーム(松原産業)ネオマシリーズ(旭化成建材)イゾベールシリーズ(マグ・イゾベール)ウールブレス(アイティエヌジャパン)アクアフォーム(日本アクア)
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